こうちぼにゅうのかい

高知母乳の会
第1号
発行日

2003.1.12
編集長
編集
:松枝睦美
:浜田康生
:橋田郁子
:岸田佐智
発 行:高知母乳の会 
会 長:福永寿則
事務局:田村こどもクリニック
〒783−0006高知県南国市篠原111−3
TEL088−863−0723

会長あいさつ

〜母乳育児のすすめ〜

高知母乳の会会長(川村会くぼかわ病院産婦人科) 福永寿則



 昨年6月頃から母乳の会設立にむけた具体的な動きが始まりましたが、その過程において、高知県でも母乳育児を支援する環境を望む多くのお母さん方、あるいは、母乳育児に真摯に取り組んでいる人々や母乳育児推進の必要性を痛感している多くの人々が存在することがあらためて実感されました。そのような人々の思い・働きが「高知母乳の会設立呼びかけ人の会」として形となり、平成14年11月16日、高知母乳の会が産声をあげました。
 そして、年の初めの1月にこの会報第1号を発行できることは大変うれしいことです。今、高知母乳の会は着実な歩みに向けて、赤ちゃんでいえばようやく「ハイハイ」を始めたところです。母乳育児をすすめる理由として、最近の理解では次の5点にまとめられています。

1.強い子:母乳の持つ栄養、消化・吸収の良さ、免疫物質などにより健康な子に育ちます。
2.やさしい子:母子の絆から出発して他の人・すべてのものとの関わりにおいて、愛のある快い交流がもてる「心」が育ちます。
3.頭の良い子:豊かな母子相互作用により、脳神経系の発達が促進されます。
4.母親に対する心身脳作用:母乳育児は母親にとっても育児を喜び多いもの
にし、また、母親の心身を育児に適した状態にします。
5.生物学的当為:科学的に解明されている母乳育児の長所云々以前の問題として、人類が哺乳動物であるための当然の行為としてとらえられます。

 特に、最近注目されている2.3.4.の項目は母乳育児に伴う豊かな母子相互作用によってもたらされるものであり、その意味では母乳栄養でない母子でも得られるものです。
しかし、そのためには意識的な努力が必要であり、一方、母乳育児においては母親にかける負担・努力も少なくてすみ、より容易にまた自然に母子ともに喜び多い豊かな母子相互作用が得られるのです。
分娩後の母子同室・母乳育児中の母子はその母と子自身も幸せに満ちていますが、それを傍で見る医療者にとっても大きな喜びを与えてくれます。そのような喜びの積み重ねが「母子を中心にすえた母乳育児の推進」の実現への道だと思います。最初から100mを完走しようとするのではなく、「ハイハイ」から一歩一歩前進する事を目指して、皆様とともに高知県における母乳育児推進に取り組んでいきたいと思います。

目次
会長あいさつ
第1回設立総会
設立記念講演会
メッセージ
母乳育児検討会
入会のおしらせ
原稿募集!


「日本母乳の会」について


 1992年、WHO/ユニセフの援助のもとに、世界母乳連盟が、毎年8月最初の週を世界母乳週間、8月1日を「世界母乳の日」と制定しました。それを記念して、日本では、故山内逸郎国立岡山病院名誉院長の呼びかけで「母乳をすすめるための産科医と小児科医の集い」がもたれました。「日本母乳の会」は、その会を継承するかたちではじまりました。現在、各都道府県の活動をみると、産科・小児科の医療関係者とともにお母さん方、母乳育児支援グループの方など、さまざまな立場の方々で構成されています。


わたしたち「高知母乳の会」は、お母さん方を主体として機能することを目的として設立しました。


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