こうちぼにゅうのかい

高知母乳の会
第8号
発行日
2005.12.1
編集長
編集
:河野さゆり
:今村朋子
:浜田康生
発 行:高知母乳の会 
会 長:福永寿則
事務局:田村こどもクリニック
〒783-0006
高知県南国市篠原1459-1
TEL088-863-0723

● 第7回高知母乳の会 総会・講演会が開催されました●●●

11月13日、NPO法人わははネット代表 中橋恵美子さんを講師に迎えて開催された講演会は、多数の方のご参加を頂き、熱気あふれるものとなりました。とても楽しく、共感できることの多い講演内容で、参加した方々は、たくさんの元気と、小さなことでも声に出して伝え、一歩踏み出す勇気をもらったのではないでしょうか?今回は、その講演内容の一部ではありますが、皆様にお伝えしたいと思います。


「聞いてください。子育て世代の生の声」中橋恵美子さん講演要旨」

◆情報がない〜!みんながネットワークすることが大切
私は3人の子どもがいますが、一人目のお産は、何もわからず、電話帳で調べた病院でお産しました。「なんか納得はいかないけど、まあこんなもんかな」と思いました。そして、長女は 1ヶ月でミルクになりました。初めての育児で、「子どもはかわいいんだけど、どうしていいかわからない」と、家で鬱々としていました。
そんな中、ワラをもすがる思いで子育てサークルに入ったのです。お母さんたちと話す中で、その時初めて、自分が産んだ病院は良くないことを知りました。そこで助産院出産のことも知り、二人目妊娠中の私は、助産院で出産することにしました。助産師さんに「いいお産にしましょうね」と言われ、とても満足いくお産でした。長女は1ヶ月でおっぱいが止まったんですけど…、実際は止まってなかったと思うけど、足りないといわれたからなのですが…、2人目はオールおっぱいで育ちました。その時に、「ミルクにするかおっぱいにするか」、これは「お母さんが選んだのではなくて、情報がないだけじゃないか?」と思ったのです。お母さんたちは、近所のスーパーや産んだ病院など、身近な情報は持っているんですよね。その情報をつなげば、点が線に、線が面に広がっていくのではないかと感じて、情報誌を作ったのです。
そして3人目のお産は、みんなに囲まれたにぎやかな自宅出産でした。その時も情報誌を作っていて、「しゅっさんとしゅっぱんを一緒にした」と人から言われています。子育てに関わる人たち、みんながネットワークして情報をうまく伝え合うことが大事だと感じています。そのつなぐ役目ができるのはお母さんだと思っています。当事者だからこそ、自分自身のこととして「こうして欲しい」と言うのが自然だと思うのです。

◆お母ちゃんでも変えていけることがある 
情報誌の影響から、私のもとに、相談や社会に対する不満など、お母さんたちのいろんな声が届いてきました。私が大きく心を動かされたものに、子どもを保育所に預けて働くお母さんからの手紙がありました。〜子どもが病気するたびに休むことで、職場の目も冷たくなってきた。そんなある日、子どもの熱っぽさに気づきながらも仕事を優先させてしまった。その後やはり熱が出て、保育所、小児科、夫にも、「なぜ朝から仕事を休んでみていなかったのか」と注意され、そのたびに何度も頭を下げた。「一生懸命働いて、育児もして、なのにどうしてこんな思いをしないといけないのか…」〜 私はとても切なくて、「これは何とかせないかん!」と感じました。本当は、子どもの熱が出たら「仕事を休んだらいいよ」とか、近所の人が「見てあげるよ」などと言い合える社会であればいいと思うけど、すぐにそうはならない…。とりあえず、せめて県内に病児保育の施設ができてほしい。どうしたらいいのか何もわからないけど、知事にお願いしようと電話しました。でも、「何業界ですか?」と取り合ってくれなかったんですよ。母親って社会権がないんですよね。ところが、ある講演会の帰り、挨拶を終えて帰る知事を見つけました。そこで猛ダッシュですよ。「子育て中の母親の声を聞いてください。」と誠意を持って声をかけ、やっとインタビューに応じてくれることになりました。
グループの皆と子連れで知事室に行き、いろんな要望を話して、知事は「お母さんがどんなに大変か良くわかりました。子育て支援に力いれましょう。」と言ってくれました。そして半年後に香川で第1号の病児保育施設ができました。  はじめは、こんな大それた活動ではなく、きっかけはもっと小さなことでした。子連れで市役所に出生届を出しに行った時、オムツを替える場所も、おっぱいあげる場所もなかった。そこでメールで、「ちょっとついたてを置いてくれたら、おっぱいがあげられるのに…、布団を置いてくれたら、オムツが替えられるのに…」と書いたのです。そしたら、次に行った時は、ついたてと布団があったのです。うれしかったですね。
でも忘れもしません ! そこには敷き布団と掛け布団と枕が置いてあったんですね。オムツ替えるだけなのに…。母親の常識がすなわち社会の常識ではない、もっと丁寧に私たちのニーズを伝えていかなくてはいけないと思ったのです。
一人でもできることはある。一人が気づいた時、一人がつまずいた時に、その石をのけるということを、こまめにしていけば、かなり通りやすくなるのだろうなと思います。


目次
講演報告会
講演報告会
講演参加者の感想
行事予定・お知らせ

◆おっぱい貯金◆

最近、後輩ナース絵里ちゃんが、ルイヴィトンの財布を持っていたので「ヴィトン買ったが?見せて、いいねぇ〜」と話しかけたところ、絵里ちゃん曰く「これ、母乳です」「はぁ?!」天然!?財布の事だよ・・・「母乳!母乳!子どもに母乳飲ませて浮いたミルク代で、旦那さんがご褒美に買ってくれました。これ母乳なんですよ!」と、誇らしげに語ってくれました。母乳貯金か・・・平和な家庭だな〜いい子に育つよ。絵里ちゃん、おっぱい貯金と名付けさせてね。ユニークな家計に感心しつつホッと癒された私でした。

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