こうちぼにゅうのかい

高知母乳の会
第9号
発行日
2006.4.20
編集長
編集
:河野さゆり
:今村朋子
:浜田康生
:藤原恵
発 行:高知母乳の会 
会 長:福永寿則
事務局:田村こどもクリニック
〒783-0006
高知県南国市篠原1459-1
TEL088-863-0723

● 「母乳に対するみんなの思い…高知母乳の会結成4年目の今」●●●

 3月19日に開催された総会後の定例会では、「母乳に対するみんなの思い」というテーマで、皆が自由に語り合い、とても盛り上がりました。なかでも印象的だったことは、母乳育児のことだけでなく、それをとりまく出産・育児環境について、活発に意見交換がおこなわれました。「母乳」ということを中心として集まった多くの人たちが、より広い視野から、高知の出産・育児環境をよくしていくためにはどうすればいいのかを熱く語り合いました。出産・育児を支える様々な職種の人や母親が、お互いの立場の垣根を越えてつながっていける団体として、この高知母乳の会が、社会に果たす役割の大きさを実感しました。

高知の出産環境はいったいどうなっていくのだろう・・?
 助産師学校の閉校とそれを引き継ぐ大学の教育が不十分なことについて問題提起があり、助産師の養成について多くの意見が出されました。また、出産を取り扱う産婦人科で助産師がいない施設が多いことや、病院に助産師が一人しかおらず、看護師がお産のケアをする際の苦労話など、様々な立場から高知の助産師不足の実情が語られました。一方、全国的にも、産婦人科医のなり手がおらず、どんどん減少していることや、出産施設も閉鎖などが大きな問題となっていることが話題にのぼり、ここ高知でも例外ではなく、特に高知市以外の地域では切実であることが話されました。さらに助産師・産婦人科医だけでなく、小児科医や未熟児のケアができる看護師の確保の難しさ、高知への定着率の低さなども問題であることが話題となりました。 また、新しくクリニックを開院した福永医師からは、開業後2ヶ月を経た状況が報告され、助産院を開業している竹内助産師からは、自分が助産院を開業した理由についてお産に対する思いが語られました。この出産施設の閉鎖が相次ぐ時勢の中にあって、個人で開業し、日々お産に向き合っておられる、お二人の発言は、非常に説得力のあるものでした。「どのようなお産をするかということが大切で、それがあってこそ母乳育児につながる」という発言には多くの方がうなずいており、高知母乳の会で出産を取り巻く様々な問題を語り合っていくことの意義を皆で共有しました。

働く女性の母乳育児をどうやって支えていく?
 働く女性の多い高知の特徴として、産後早期に子どもを預けて仕事復帰するケースも多くみられますが、託児所や保育園に預ける際に断乳をすすめられる場合がほとんどであるという現状が報告されました。子どもにとって、入園と断乳を一度にするということは大きなストレスであり、断乳せずに預けられる方法があることなど、高知母乳の会として保育施設にも働きかけていく必要があるのではないかという提言がありました。

性教育の大切さ 
 高知県の中絶率の高さは社会問題となっていることから、性教育の大切さについても語られました。子どもの頃から、もっと自分の体を大切にする教育をおこなう事は、お産のリスクを減らすための健康な体づくりにとっても重要であることが話されました。

目次
定例会報告
報告
体験レポート
行事予定・お知らせ

◆◆「どうする?日本のお産」プロジェクト ディスカッション大会in高知 開催決定!◆◆
急速に悪化するお産環境の改善を目指して、全国各地でディスカッション大会が開催されています。高知でも人事ではありません!そこで高知での開催が決定し、高知母乳の会が後援することになりました。
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全国で産科・産院施設が閉鎖しています。分娩予約のとれない妊婦さんが増えています。勤務先を失った助産師がたくさんいると思われます。過重労働で苦しんでいる医師・助産師がますます増えていくと予想されます。地域のお産を一手に引き受ける施設では、十分に妊産婦さんのケアができず、困っています。妊産婦さんが安心して安全に出産するにはどうしたらいいでしょう。医療者がよりよいケアを提供でき、なおかつ人間的にゆとりをもてる暮らしをするにはどうしたらいいでしょう。今、産む場所をもとめて困惑している妊婦さんを、どうしたら救ってあげられるでしょう。地域で、施設間でどのような連携をしたらいいのでしょう。みんなで現状を語り合い、今、実際に現場はどうなっているのかを知り、これからどうしていったらいいのかを、考えませんか? 

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