こうちぼにゅうのかい

高知母乳の会
第12号
発行日
2007.4.1
編集長
編集
:河野
:今村
石田
:浜田
:藤原
発 行:高知母乳の会 
会 長:福永寿則
事務局:田村こどもクリニック
〒783-0006
高知県南国市篠原1459-1
TEL088-863-0723
●第21回定例会:会員の母乳関連の学会発表を聞く● 

 3月18日に開催された総会後の定例会では、「会員の母乳関連の学会発表を聞く」というテーマで、会員の皆様が様々な学会で発表された研究を一度に聞くことができるという、とてもお得な!?内容でした。会員の皆さんが様々な学会発表に取り組まれていることがわかり、お互いにとってとても刺激になる一日でした。その発表内容の詳細について、研究論文抄録を投稿していただきましたので、掲載させていただきます。


“「母乳で育てたい」その願いをかなえる地域での支援”
  演者    下元淑(須崎市保健福祉課) ほか 
  発表学会  第15回母乳育児シンポジウム 06.8 於東京

 須崎市は、人口27,000人、平成17年の出生数が154人の小さな市である。平成10年、生後2週間以内の母乳率56%が、4ヶ月健診時には、40%に低下する現状から、母乳育児を希望している母親の母乳育児を支援するための対策として平成11年4月より、育児相談と同時に助産師による母乳相談を開始した。その後平成13年4月より、子育て支援センターが開設され、子育て支援センターといっしょに母子関係の安定をもたらす母乳育児をともに考えるようになった。
 おやこ母乳相談にかかわる職種は、助産師、保健師、歯科衛生士、栄養士、保育士等で子育て支援の立場から母乳相談を通じて関わりをもっている。
 須崎市で母乳育児を支援する産婦人科が、平成13年6月より開設となり、須崎市の生後2週間以内の母乳率も上がり、母乳育児を支える育児支援との効果から、4ヶ月健診時では、68%を維持しており、1歳6か月健診でも30.4%が、母乳育児を継続中である。
 母乳育児を地域で支援するなか、母親に母乳育児で困ったことのアンケートで、@母乳が足りているか。A乳首が切れた。B赤ちゃんが吸い付きにくい。などが悩みとしてあがったことから、地域での相談の場として、トラブルの時の対処方法と母親の母乳育児に対する不安感への対応が必要と考えられた。須崎市では、母乳相談の場を、子育て支援と連動する事で、子育て中の母親の仲間作りとともに、母乳育児の仲間作りが同時にできあがっている。相談の場に集まり、母乳の悩みや、子育ての話をする中で、母乳育児に対するモチベーションを高める役割を、それぞれの母親が持てる事が、連帯感を生み、安心して母乳育児ができる環境づくりとなっている。また、乳幼児健診や、育児相談でのスタッフで意見を統一し、母親の母乳育児に対する思いを第一に考えることにした事で、1歳6か月健診での母乳継続率は上昇している。母乳相談を始めて、母乳育児という母子のもっともプライベートな面に立ち入る事で、相談の場がより親密になり、内面的な不安や夫婦関係の悩みなどが、母親から話されるようになり、早期に育児不安や、ネグレクトにも対応できるようになった。母乳育児は育児のネットワークづくりとともに地域に広がっている。

目次
定例会報告
定例会報告
体験レポート
行事予定・お知らせ

◆◆助産師教育の充実を求める請願が採択されました◆◆昨年、この会報紙面で報告させていただきました、助産教育の充実を求める活動について、その後の報告をさせていただきます。〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜助産師は、お産や母乳育児を支える重要な職業であるにもかかわらず、高知県では、その養成が縮小されようとしています。県立の専門学校助産学科が閉鎖され、高知女子大の4年の看護教育の中で、人数も質も縮小された形での助産教育に移行する問題について、日本助産師会高知県支部・高知県の助産師教育の充実を求める会などの団体は、これまで、署名活動、知事との面会や、県議会への請願などをおこなってまいりました。残念ながら12月県議会では、専門学校の助産学科の存続は不採択となってしまいました。しかし、その後の2月議会において、「大学に専攻科もしくは大学院など1年以上の助産を専門に学べるコースを設置すること」を求めた請願が採択されました。これが実現すれば、すでに看護師免許を取得している人など、様々な立場の人が助産師を目指すための場が開けるとともに、教育の質についても、より充実した講義や実習が可能となります。会員の皆様には、署名活動へのご協力など大変お世話になりました。ぜひ、今後もその動向に注目してください。

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