こうちぼにゅうのかい

高知母乳の会
第15号
発行日
2008.2.12
編集長
編集
:藤原
:浜田
:石田
:細川
:河野
発 行:高知母乳の会 
会 長:福永寿則
事務局:田村こどもクリニック
〒783-0006
高知県南国市篠原1459-1
TEL088-863-0723
● 第25回 定例会報告 ●●●
テーマ:産後の母親の栄養と補完食(離乳食)

 平成20年1月13日、高知ファミリークリニックにて第25回高知母乳の会定例会が開催されました。
 吉田さんからは「産後・授乳期の食事について」、山崎さんからは「補完食(離乳食)について」それぞれ発表されました。
 参加者からも“妊娠中からの母親の食事と赤ちゃんの体重増加の関係、”食事の今昔話““妊娠中からの食育の大切さ”や“補完食を手軽に簡単につくれる工夫をお母さんたちに伝えることが必要“など活発な意見交換がなされ、また参加者から補完食作りの経験談を聞かせていただくなど、とても有意義な時間となりました。 
 お2人の発表の一部ではありますが、ここに紹介させていただきます。

◆ 産後・授乳期の食事について◆   吉田麻優美(くぼかわ病院栄養士)
 母乳の材料はお母さんの血液です。いい母乳を作るためにはお母さんがいい血液を造らなくてはなりません。お勧めなのは和食。洋食や中華と違い、油を使いすぎずに食物繊維、鉄、カルシウムをしっかりとることが出来ます。
 お母さんの血液がさらさらであれば母乳も出やすくなります。甘いものや脂肪の取り過ぎは血液をどろどろにするため、乳腺が詰まる原因になります。肥満の原因にもなりますので、できるだけ控えましょう。また油は動物性脂肪、バターや肉の脂など常温で固形の脂ではなく、魚の油やごま油、オリーブオイルなどの常温で液体の油を摂取するようにしましょう。魚の油は母乳の成分に含まれている油と同じ分類の油になります。
 妊娠前の必要栄養量はおよそ1700〜2000kcalですが、授乳時はさらに450kcal加えた2150〜2450kcalが必要と言われています。一日に必要な食品をしっかり摂るために、お食事の目安として付け合せも含めて1汁3菜を基本に考えましょう。主食となるご飯と、肉や魚、卵、豆腐などを使ったメインのおかず、そして汁物と野菜を一皿ずつ摂ることでバランスよく食べることが出来ます。そしてしっかり噛んで食べて下さい。
 間食も水分補給やエネルギー補給と考えて食事と併せて考えましょう。甘いものやお菓子が食べたくなったら洋菓子よりも和菓子、芋類、おにぎり、果物や手作りのお菓子を選ぶようにしましょう。腹持ちの悪いパンや粉物よりもご飯など粒物を選ぶといいでしょう。
 赤ちゃんに母乳をあげているとすぐお腹が減ったり、のどが乾くと思います。赤ちゃんに母乳を与えると体から栄養や水分が奪われます。最初赤ちゃんの哺乳量は1日500ml程度ですが、4ヶ月以降は1?以上になります。赤ちゃんにあげた分、1日1.5〜2リットルは最低限摂るようにしましょう。ただし、ジュースやコーヒーなどは避けてください。ジュースには思ったよりも砂糖が入っています。コーヒーには体を冷やす作用があるので、飲みたい場合は量や回数を控えるなど工夫をしてください。ノンカフェインのたんぽぽコーヒーや玄米コーヒーなどもあるので代用するのも良いでしょう。アルコールやカフェインは母乳へ分泌され、赤ちゃんの身体に入ってしまいます。授乳中にアルコールを摂取すると母乳に血中濃度の90〜95%のアルコールが排出されてしまいます。飲むとしても授乳前は避けましょう。
血行をよくするのも、母乳の出をよくします。温かい格好をするだけでなく、身体を冷やす働きをする砂糖や冷たい食べ物を避け、逆に温める働きのある根菜、生姜、香味野菜などをとるようにしましょう。生野菜や果物も身体を冷やしますので食べる量や回数を控えましょう。また、野菜や果物は加熱すると体を冷やす作用が弱まりますので、例えば、リンゴを電子レンジでレーズンと一緒に加熱したり、野菜は温野菜にするなど、少し手を加えてみるといいでしょう。
作る時間がない、家事をするのが大変、しんどくて料理どころじゃない、そんな時もあるかと思います。市販のお惣菜にレンジで加熱した野菜を添える、それで十分。難しく考えないで大丈夫。美味しく食べることが一番の栄養になります。



目次
定例会報告
定例会報告
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瀬尾先生から田村医師宛てに感想が届いていましたので紹介します!!

瀬尾です。
田村先生、会報を読ませていただきました。わたしの話も正確にまとめてくださいましてありがとうございました。さらに、充実した活動をなさっていることがよくわかり、たいへん感銘を受けました。先生のお近くのお母さんたちは幸せですね。また、先生のクリニックではコメディカルの方達がチームワークを組んで積極的に活動しておられることが印象的でした。また、お会いできる日を楽しみにしております。

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