母乳教育
昔から哺乳で赤ちゃんを育てるのは当たり前の事でした。
でも、 現在では、ダイオキシン問題などで「母乳は危ない」という間違った情報が流れ、戸惑っているお母さんもいます。
これは、母乳育児の危機ともいえます。
第8回母乳育児シンポジウムに参加して
1.母乳育児の後退 母乳育児の後退した理由として、 都市で暮らす家族が増えたこと、働く女性が増えたこと、そして人工栄養で育てるほうがより近代的で、 より知的だとお母さんに信じさせるための宣伝が増えたことなどがあげられます。
2.母乳は世界で最も優れた食料である 母乳は栄養的にみても、もっとも完全であるため乳児は、通 常生後4~6ヶ月は他のいかなる食べ物や飲み物をも必要としません。母乳は衛生的で、費用もかかりません。母乳は乳児に病気に対する免疫を与えます。
3.周辺からミルクを足しなさいといわれた時 母乳分泌には個人差があります。また赤ちゃんにも、母乳の個性がみられます。
出ないおっぱいには、周辺から非難的な言葉を投げかけられることが多いようです。また、お母さん自身が母親失格と自分に烙印を押してしまうこともあります。
しかし、最初の1ヶ月で500~1000g体重が増加していればOK!です。また出すぎる母乳は授乳の合間に痛い、おっぱいをしぼったり冷やしたりして一日が過ぎ、お母さんの心と身体の負担になります。こうして母乳は出ても出なくてもそれぞれ苦悩があり、マタニティーブルーともなるのです。
4.そこで、お父さんにお願い 洗濯物が散らかっていても、冷めた味噌汁でも、 お風呂が沸いていなくても、 そんなことは一生続きません。 今が大切な時なのです。 実際的な家事の協力も必要ですが、 「育児って大変なんだなぁ~」と、心の底から発する言葉が母親を救います。 新入社員の緊張と、努力したつらい時を思い起こしてください。 慣れてバリバリ仕事ができるには、経験を積む時間が必要です。 どうか、新米ママの心の支えになってあげてください。
5.母乳育児を成功させるために 分娩後30分以内に母乳を飲ませ、母子同室にして赤ちゃんとお母さんが1日24時間一緒に居られるようにして、赤ちゃんが欲しがる時は欲しがるままに授乳をすることが大切です。そのためには、上の条件をかなえてくれる産院を選ぶことも大切です。 (文責.助産婦)
子育て論(その1)
高知では子供を育てることを「子(こ)やらい」と言います。
「子育て」というと、子供より親がえらそうな感じですので、私は「子やらい」と言うほうが好きなのですが。
「子育て論」というのは色々な人がいろいろと言っています。その中で自分にあった考え方、標語を取り 入れ、自分にあったものがなければ自分で子育て論を作ればよいのです。今回は私なりの子育ての標語を説明します。皆さんの参考になれば幸いです。
・まず手をかけて 赤ちゃんは寝たきりでものも言いません。だっこしたり、おしめを代えたり、母乳を飲ませたり、風呂にいれたりなどなど、とにかく十分に手をかけてください。これが子供との信頼関係(愛情といっていいのですが)をつくる最も大切な基本です。
人間の肌のぬくもりがどれだけ気持ちよいものか、 安心感をもたらしてくれるものかをしっかり赤ちゃんにインプットするのです。 この時期、くれぐれも手を抜かないようにしましょう。
この実習を通してお母さんも女から母親へと、 ひとつステップアップしていくのですから。
お父さんも風呂に入れたり、だっこをしておかないと、 将来子供とのコミュニケーションができなくなりますよ。(笑)
・次に声をかけて はいはいしたり、歩いたり、言葉も分かってくると、自分でできることは自分でさせます。こうしよう、ああしよう、そればだめ、これが面 白いよなどなど子供はしゃべりっぱなしです。お母さんもしゃべりぱなしです。言葉が実体を持ち知能を刺激し、空想が駆け巡るようになります。 お母さんは絵本を何回も読まされます。 できるだけ目をみながら話をしてあげてください。叱る時もたたかないでくださいで、言ってあげてください。
・そろそろ目をかけるだけに 集団保育の年令になると子供も自分の世界が出てきます。だんだん口出しを止めていきましょう。にこにこしながら見ているだけにします。 子供も「お母さん見よってよ」としきりにいうようになります。 精神的にも「かしこいね~」「上手ね~」とほめて、おだてて、目をかけてやると元気な子になります。行動範囲は時々見える範囲を越えるようになり、事故も多くなっていきます。
・最後は気にかけるだけ 中学生以上になると、友達同士でどっかでなにかをやるようになります。 大学へ行ったり、就職したりで親元を離れていきます。 ちゃんとご飯を食べているか、悪さをしていないか、病気をしたときちゃんと連絡がくるのだろうか、など色々心配してしまいますが、 なるだけ気にかけるだけにしておきましょう。 それなりに一生懸命育ててつきあったあなたの子です。何かあったら電話してくるでしょう。 少しさびしい気もしますが、あれこれ口を出したり干渉するのは極力少なくしましょう。「猫のように」という人もいますが、 ただ黙ってそばに居るだけ、 基本的には親は自分のことをしているだけでいいのです。
・臨機応変・変幻自在 何か問題がおきたときは子供とのつきあいをひとつランクを戻します。あるいは最初にもどります。 ニコニコしながらだっこしてあげます。一緒に寝てあげましょう。 そうやって十分甘やかしてやります。でも子供はいつまでも同じレベルにはいません。 機敏に子供の状態にあったつきあいかたをしていく必要があります。 自転車に乗るときは手をかけて、 歩いている時は声をかけ、家でテレビを見ているときは少し気にかけているだけ というふうに、同じ子供でも場面場面で対処を変えていきます。
・結論 手をかけ・声かけ・目をかけて、あとは気にかけるだけということです。が、親にとっては子供から離れていくこです。 じっと見ているときだけ、遠くはなれて気にかけているだけの心境になるのは親もかなりの修行を必要としますし、 そのころには孫ができ、じじばばになる為の修行がはじまるのです。