市販のお薬にご用心

 最近は、薬局も薬だけでなくいろいろな商品を取り扱うようになり、お薬もスーパー感覚で気軽に買えるようになりました。夜間など急に必要な時は便利ですが、気をつけなければいけないこともたくさんあります。

 まず、傷口にスプレーして患部を白く固め、消毒、乾燥してしまうというスプレータイプの傷薬。これは、一見気軽そうで便利そうですが「外科医泣かせ」とも言われている困りものです。本来、けがをした時には、一番に傷口を水で洗い流し、泥や汚れをきれいに取り除きます。次に消毒液で消毒してから薬を塗ります。

 この一番をとばしてしまったり、きちんとしていないまま傷口にスプレーしてしまうと、汚れやばい菌を閉じ込めてしまうことになり、ふさがれた傷口は内部で化膿して、傷がますます広がってしまいます。それから病院に行くと、白く固まった部分を丁寧にとりのぞき、最初の消毒からやり直さなくてはいけませんので時間がかかり、治癒にも時間がかかります。

 けがをした時には、薬よりもまず丁寧に洗い流して消毒することが大切です。又、子供の場合、特に注意が必要なのは薬の使用量 です。飲み薬にしても熱さましの座薬にしても、市販のお薬はほとんどは年齢によって使用量 が決められています。ところが、成長段階にある子供の場合には、生まれた時の体重が違うように発育状態も人それぞれで同じ年齢の子供でも体重の差が随分あります。病院では体重を量 って医師が適正な量を計算し、症状にあったお薬を処方していますが、市販のお薬は看護者の判断で使用しなければなりません。お薬には副作用の心配もあります。小さい子供の場合は、少量 でも影響を受けやすいので注意しましょう。

(便利そうなお薬がたくさん市販されていますが、使用方法をあやまると治るどころかよけいにひどくなってしまったり、病気が長引いたりすることもあります。薬を過信せず、本当に必要な時、必要な量 だけを使用するようにしたいですね。)