クリニックだより NO.98 2010・10・01 前のページ  次のページ index  top
田村院長の大切な話
必要な抗生剤たけ飲んで!! 熱や中耳炎等の”感染症”を起こす原因にはウイルスと細菌(ばい菌)があります。”かぜ”の9割はウイルスと言われていますが、このウイルスには抗生剤は効きません(細菌には抗生剤が効きます)。 抗生剤が効かない細菌がうつったら恐ろしいと思いがちですが、実は誰でもこの細菌を体内に持っている可能性があります。 例えば、腸内で悪さする大腸菌が少しいても、密集する大量の”無害の大腸菌”に阻まれて増える事ができないので、私達は健康でいられる訳です。しかし、必要でない抗生剤を飲むと、”無害の大腸菌”がやられ、抗生剤が効かない病原性大腸菌が残って、”無害の大腸菌”がいなくなって繁殖する余地が広くなった所にはびこり、病気になる訳です。 つまり、無駄な抗生剤をのむと抵抗力が落ちる→感染症にかかる→抗生剤をのむ→抗生剤が効かない細菌に犯されるという事になります。今では、医者は抗生剤を出さないと患者が来なくなるし、患者も抗生剤を普通に出す医者がいるので、抗生剤をださない医者にはかからなくなる傾向がありました。これでは耐性菌は増えていきます。 これを防ぐには無駄な必要のない抗生剤は絶対に飲まない事。すると、抗生剤の効かない耐性菌は、”身体を守ってくれる細菌”に押さえ込まれ、自然に少なくなってきます。再度、”必要でない抗生剤は飲まないようにしましょう”。ただし、病気の原因が細菌なら、身体が害のある細菌に支配されている状態なので、抗生剤を飲んで、 はびこっている悪い細菌をやっつける必要があります。この場合は、しっかり抗生剤をのみましょう。


第20回日本外来小児科学会の参加報告

T(助): 虐待を受けている子どもの症状・親への対応と子どもの貧困を考えるという講義に参加しました。日本は豊かな先進国であるという神話が今でも信じられており、貧困率と言えば開発途上国の話だと思われています。 しかし、日本の貧困率は15.7%。子どもの貧困率は14.2%に及び7人に1人が貧困に苦しんでいる事になります。 医療ネグレクトや心身的・身体的虐待の背景に貧困が深刻になっている事があります。今後子どもの生活の場である家庭を支援することが必要になり、外来小児科診察で向き合っていかねばならない重要なテーマになりつつあると感じました。

W: 今年もしっかり勉強してきました!! 今回の学会で学んだことは、今後の診療にしっかりい生かしていきます! そして、博多の美味しいものもしっかり食べてきちゃいました。空腹時が一秒もないくらいで、博多のモツ鍋はとろけました。ぶちうま!でした。

I: 事務では受付、カルテ準備、保険証の受け渡し、処方箋確認、会計などさまざまな仕事に携わっています。全ての場面でミスが起こり得ます。そのミスの原因、内容、ミスをしないためのこれからの対応策など、全国から集まった医療事務の方々と意見交換してきました。 一人だけの仕事をこなすのではなく、看護師や検査技師、栄養士などいろんな職種の人とダブルチャックをして、 保護者の方とも一緒に確認したりして、声を出してミスを防いでいきたいと思います。また、医療知識も必要だと思うので自分だけの判断にせず、看護師やドクターに聞いて学んでいきたいと思います。

N: 今回初めての参加でしたが、先生陣の白熱討論に圧倒されながら刺激のある2日間でした。私たちの知らない所で日々、研究が進み、医学の進歩を肌で感じることができました。 その中で一つ。コンタクト(以下CL)についてですが、近年CLのトラブルが増加しています。原因はCLの使用方法が守られていないためだそうです。こすり洗い、すすぎ、保存、そしてCLケースを日中使用しない時は乾燥させる事と2~3ヶ月で交換が大切だそうです。やはり、使用方法を守ることが1番です。

Y: 今年は育児支援をテーマにしたWSにサブリーダーとして参加して、当院の育児支援についてプレゼンテーション(7年目にして初体験)してきました。
他にも「食育」に関するテーマのWSでもグループ発表で発表者に選られ、今年はあっちこっちで発言の機会に恵まれ?充実した学会参加となりました。前日の下関のフグ料理に始まり、本場のもつ鍋や博多ラーメンも絶品で今度は仕事抜きで行ってみないな。

YK:前日は、門司の唐戸市場でおいしい朝ごはんを食べ、水族館で癒されて、さぁ!はじめてのワークショップリーダーという大役を果たすぞ・・・と意気込んで臨んだ今回の学会。数ヶ月前から、事前アンケートをまとめながら考えたことは、各々年齢も違い、経験年数も異なる看護師30名の疑問や期待、向上心に対して、どうすれば十分な答えを出せるか?!結果は、9割方の出席者から、このWSに参加できて良かったです!と言っていただけました。参加者・サブリーダー・協力者の方々に心から・・・ありがとう!!

H: 今回の小児科学会では、昨年同様、”あまえ療法”に参加しました。高知市大津にある児童相談所の澤田先生のお話と、長崎にある絵本の館の館長さんのお話を聞き、胸を打たれ感動しました。今回は福岡ということもあり、JRでのんびりと行き、昼からビールを飲みながら楽しい旅でした。福岡で食べたもつ鍋の美味しさに驚き、また家族で福岡を旅したいと思いました。

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*田村こどもクリニック*
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