突然死

 いきなり恐怖をふりまくようですみません。でも原因不明の突然死は乳児の死亡原因の第3位 、年間約500人がなくなっています。(ちなみに1位は先天奇形・染色体異常、2位は周産期に特異的な呼吸障害及び心血管障害、4位 は不慮の事故となっています) 突然死は正式には乳幼児突然死症候群と言い、何の予兆や基礎的な病気もないのに死んでいたという病気です。子供が死ぬ のはどんな状況でも非常に悲しいことなのですが、とりわけ突然死は御両親にとって絶対に納得のいくものではありません。
 この突然死をできるだけ起こさない方法が3つ言われています。

1、寝るときはあおむけで寝さす。
2、両親共タバコをやめる。
3、母乳で育てる。
  の3点です。

 当院では運動発達を良くするために時々腹臥位にすることを指導していますが、これは必ず起きているときに、親が一緒にいて行います。
 子供が自由に寝返りができだし、自分で寝返りしてうつぶせ寝になるのは構いません。

 次にタバコですが、ここでもタバコは悪者です。タバコの害の特徴は吸っている本人だけでなく、周囲の者にもタバコを吸わしていることです。これを“間接喫煙”といいますが、吸わされる者にしては“強制喫煙”です。これは失礼なことだし、タバコを吸いたくないものにとっては拷問に等しいことなのです。タバコのみは自分の快楽の為に他人を傷つけ、不快感を与えていることを自覚するべきです。ですから結婚を機に、あるいは妊娠を機にタバコをやめましょう。

 タバコをやめる方法の第一はまず『ヤメヨウ』と思うことです、最近では病院でも『禁煙外来』をしているところがありますが、その先生がいわれるにも「本人がヤメル気が無くてはダメ」とのことです。禁煙グッズもいろいろあります。禁煙パイポ、禁煙ガム、ニコチンパッチもありますが、手軽なものでは“つまようじ”です。食後の一服のかわりに歯の手入れをします。同様“歯ブラシ”も効果 があるとのことです。

 母乳は母子共に健康なら必ず出ます。人工ミルクは母親がガンで入院するとか、離婚して父親が育てる時の非常食としては良いものですが、非常食を常食とされてはたまったものではありません。今の時代、営利企業である人工ミルクメーカーはいろんな方法で母乳を止めようとしています。良い病院で出産したらほぼ100%母乳が出ます。もし人工ミルクを足してしまったらできるだけ早く、できれば生後1カ月以内に当院に来てください。必ず母乳が出るようにしますので。出る母乳をむりやり止めながら「私の母乳は出ない」と思っているお母さんが、非常に多いのは悲しいことです。なにゆえ母乳で育っている子の方が突然死数が少ないか、はっきりとした結論は出てはいませんが、人工ミルクに比べ、母乳の1回量 は少なく、日に何度も飲みますから、胃が肺を突き上げる程度が少なく、子供を抱く回数も多くなるからではないかとも思われます。

 タバコも母乳もごく基本的なことを実行するだけで、突然死はかなり防げます。事故が起ってから悔やむのだけは避けたいですね。

「禁煙外来」は高知では細木病院などが行っています。