● リレー投稿●●● 奈良 雅子さん(英国IFA認定アロマセラピスト) アロマテラピーは、植物から抽出された精油(エッセンシャルオイル)を健康や美容に役立てる自然療法の一つで、良好な健康状態を維持するためのホリスティックな療法です。 トリートメントの流れは、はじめにコンサルテーションを行い、クライアントの心身の状態を伺います。その中で今回のトリートメントの目的(どんな症状を抱えているか、施術に期待するものは何か)を把握して、使用する精油を選んでいきます。精油を選択する際には、赤ちゃんへの授乳やホルモンバランスの変化もふまえて、通経作用やホルモン作用のある精油は避けます。その方に有効と思われる精油をいくつか提示して香りをかいでいただき、好きな香りの精油を選んでいただきます。精油が決まったら、それを植物油に希釈したものを塗布しながらゆっくりもみほぐします。 「アロマトリートメントは初体験」という方がほとんどですが、みなさん精油を選ぶのも楽しんでくださり、短時間ではありますが、施術中もゆっくりとリラックスされています。おっぱいや抱っこにまだ慣れなくて力が入り、頸や肩が痛い、寝不足でしんどい、といった肉体的なことだけでなく、退院後の育児不安、上の子の赤ちゃん返りが心配・・・など、精神面の不安や悩みを話してくださる方もおられます。施術だけでなく、なるべくゆっくりとお話を伺って、お母さんたちの気持ちにより添ったり共感したりできるように心がけていきます。 私が「産後のお母さんのアロマトリートメントを提供したい」と思ったのは、自分自身の経験がもとになっています。私は二人の子どもを母乳で育てました。私のおっぱいはとてもよく出てくれましたが、時々乳腺炎になり、そのたびに助産師さんのお世話になりました。助産院に行くと、助産師さんがゆっくり話を聞きながら丁寧にケアしてくださり、いつもおっぱいだけでなく、私の気持ちまでほぐしてもらっているようでした。心と身体はつながっているので、心が安定したり元気でいることが、おっぱいにも、そして子供たちにも影響を及ぼすな〜と思いました。 あるときは私の肩がカチカチにこっているのを知って、助産師さんが肩をもんでくださったこともありました。 ほんの少しの時間でしたが、その温かい心づかいがとてもうれしく「また明日から育児も家事も頑張ろう!」と思えました。自分が大事にされて気持ちが満たされたら、周りの人を思いやるゆとりがもてるなぁ・・・ということを実感しました。今はちょっと子どもたちも手がかからなくなってきたので、私も自分の出来ることで、自分の周りの新しいお母さんたちの応援ができたらと思います。そしてそのお母さんが、赤ちゃんやご家族に元気に笑顔で向き合ってくださったらすごくうれしいです。 ![]() |