改訂 2021.9


熱が出たときは?

注意 以下の記述は一応の目安です。この通りではないことも多いので自己診断をしすぎて病気をこじらせたり、重大な病気の治療が遅れることが無いように気をつけてください。

(1)「熱が出た」ということは”病気になった”というサインです。子供がぐったりしているのは病気に負けているということですから、薬などで子供の体力や抵抗力を助けてやる必要があります。

(2) 熱があっても元気であれば、病気に負けていないということですから、様子を見ているだけで構いません。しかし病気と戦っているのですから、不必要に体力を消耗させないよう安静にさせてください。ただし、熱が続くようであれば、重い病気が隠れていることがありますので、長引けば必ず診察を受けるようにしてください。

(3) 高熱を出しての”ひきつけ(=けいれん)”は30人に1人ぐらいの割合で起こります。普通 は後遺症もなく、特別な治療も必要としません。しかし稀に”ひきつけ”は命にかかわる重大な病気のこともあります。また周りの人も落ち着いて見ておれるものではありません。ひきつけを繰り返す場合はひきつけ止めの坐薬を出しますので、体温が38.0~38.5度で入れてください。

(4) 体は体温をあげることで抵抗力を強めています。解熱剤を使いすぎると抵抗力を弱め、病気を長引かすことがあります。また、強すぎる解熱剤を使って低体温になることもあります。しかし、高熱は体力を消耗させ、食欲をなくし、脱水を引き起こしたりします。そのプラスマイナスの兼ね合いで解熱剤を使います。39.0度は一応の目安です。

38.5度以上でけいれん止めと解熱の坐薬を使う。  少なくとも39.0度以上で解熱の坐薬を使う。

 

(5) 治療をしていながら熱が続くときは、頻度の少ない病気や重症の場合があります。病気のきちんとした診断をするには治療する前に検査したいのですが、子供の熱はすぐに治るものが多く、採血の注射で痛い目に合わすのもかわいそうなので、最初はあまり検査をしていません。ですが病気が長引くときはそうも言ってはいられません。

(6) 1~2回薬を飲んで治るような病気の大部分は、薬を飲まなくても治ったはずです。ただし薬がよく効いて治った場合もありますので、薬を飲み始めたらすぐにはやめないようにしてください。また何の症状もなく、元気になっても、薬を長く飲まなければならない場合もありますので注意してください。

  血液などの検査をした方が良いでしょう

 

(7) はしか、風疹、インフルエンザ、突発性発疹、水ぼうそう、などはすべてウイルスが原因です。”かぜ”も大部分はウイルスです。ウイルスには抗生剤は効かず、基本は自分の抵抗力で治します。医師としては子供の衰弱の程度に応じて治療します。

(8) ぐったりしますが、抗生剤がよく効きます。重症の場合は飲み薬の効きが弱いので、入院して注射で治療することもあります。熱が下がっても薬はしっかり飲んで、完全に治しておくことが大切です。

(9) 頻度は低いのですが、白血病、膠原病、髄膜炎といった重大な病気のこともあります。熱以外の症状、診察、検査結果 などで調べていきます。医者は”かぜ”の症状で出てくる別の病気を見逃さないように注意しています。




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