治療しなくてよい病気
病気は必ず治療しなければならないものではありません。その病気が、現在及び将来の生活に支障をきたす場合に治療します。今回はよくある「治療しない病気」を説明します。
病名はついているがとくに治さなくてよいもの
・伝染性軟属腫(水いぼ) ウイルスでおこり、6ヶ月~1年で自然になくなります。ピンセットで取ってもかまいませんが、痛いのと、抵抗力ができていないとまた出てくるので、私は取らないことにしています。水いぼがいくらあっても体に害はありません。
・舌小帯過剰 母乳力が弱くなる・発音が変になるとのことで生まれた時に切ったりしていましたが、生活に何の支障もない事がわかってきたので、今はきりません。
・仮性包茎 子供はみんな包茎です。皮をめくっても、おしっこの穴さえでてこない包茎(真性包茎)は治療したほうがよいこともあります。
・鳩胸 ひっこんでいる漏斗胸は手術して圧迫を直すこともありますが、出ている鳩胸はなにもしません。
治療しなくて治るもの
・臍ヘルニア(でべそ) 昔は硬貨を貼ったりしていましたが、1才前後までに自然になおるので今はなにもしません。
・イチゴ状血管腫 真っ赤な盛り上がった“あざ”でびっくりしますが、数年でなくなります。
・軽い副鼻腔炎(蓄膿) 青鼻がでているだけのものでは、9割は自然に治ります。すべての副鼻腔炎が治るとは言えないのがややこしいところですが。
・斜頚 病気の治療法はころころ変わるという見本のような病気です。過去にはいろいろな治療法がありましたが、いまはなにもしないのが最善の方法だということになっています。
・乳児脂漏性湿疹 石鹸で洗っていれば、6ヶ月~1才できれいになります。これをアトピー性皮膚炎と思い、食物制限している方がいます。
病院での治療より、日常生活での養生が大切なもの
・消化不良症 肥満 便秘症 食事に気をつける事が大切です。
・夜尿症 おしっこをがまんすること、排尿を中断することで膀胱の訓練をします。
・湿疹 気をつけるのは合成洗剤と汗です。
・(良性)運動発達遅延 寝さしてばかりだと当然運動発達は遅れます。
・いわゆる「かぜ」 安静 保温 栄養が原則です。
・起立性調節障害(立ちくらみ) 偏食せずよく食べ、早ねすることが大切です。