NO.62 2004・09.18    

第14回 日本外来小児科学会 に参加して
 
 今年の日本外来小児科学会は、九州大分で行われJました。8月ということで・・・当然、暑かったです。片道、JRと新幹線などの乗り継ぎで6時間かけて行ってきました。
 それぞれのワークショップで意見交換、学習をしてきましたので、今回のクリニックだよりの紙面をお借りして職員一人一人の発表を載せたいと思います。
  「母乳育児支援と口腔ケア」に参加して 看護師 T
 小児歯科医と話す機会をもちました。6~7ヶ月の歯が生え始める頃より受診してもらい、虫歯をできるだけ作らないよう指導してるようです。高知県には小児歯科専門医がほとんどいないのが現状であり、残念であります。
 母乳を飲ませていると,虫歯になるという人がいますが、もともと口の中に虫歯菌がなければいくら飲んでも虫歯にはなりません。心配せず、飲ませてほしいと思います。

  「外来待合室における看護」に参加して 看護師 I
看護師が待合室で行う援助、患者個々に応じた支援を行う!
1) 待ち時間中の援助(看護)・・・当院では院内での服薬
2) 家庭看護法の指導
 この二つの観点から待合室におけるより良い看護とは何かを考えました。
 各施設の外来待合室における看護の現状と問題点を把握することを目標とします。まず、各施設で工夫していること、取り組んでいることなどについて意見交換し問題点を明確にし、より具体的、実践的な家庭看護の方法を伝授する、お母さんのための看護法のリーフレットを作成することを目指したいです。
 当院では「私のカルテ」手帳をお渡ししているので、困った事や分からないこと、知って欲しい事など気軽に教えて下さいね!!

「迅速診断キット、どれがいいの?!」に参加して 検査技師 Y
 これまでウイルスや菌の培養同定には時間がかかり、治療に役立てるには難しい面がありましたが、その病気にかかっているかいないかを5~15分で判定できるというのが、”迅速キット”です。(当院で使用のものは、インフルエンザ、マイコプラズマ、溶連菌、CRP定性)
 近年多種多様な診断キットが出来るたびにメーカーは売り込みますが、本当に必要で良いものはどれか、全国から小児科の先生や医療スタッフの集まる外来小児科学会で情報を得る機会に恵まれました。
 今回は初めてのナイトセッションということで、行く前は偉い先生方の中に入って食事しながら意見を交し合うなどということは、大変な重圧感があったのですが、検査技師として興味のあるテーマだったので、疑問点は全て聞いて帰る気持ちで参加しました。当日は10名の参加者がそれぞれのデータを持ち寄り、話も盛り上がりました。私が驚いたのは、型にはまらず様々な創意工夫で検査をされていた事です。新しい情報を得る事も出来ました。吸収したことをこれからの検査業務に反映させて、今までより一歩でも向上出来たらこの会に出席した意義があると思います。

「小児科外来における食事指導(その1)」に参加して 栄養士 Y
 今回、嘔吐・下痢・便秘を主症状とする疾患に対して適切な食事指導ができることを目的としたワークショップに参加してきました。従来、多くの小児科外来での治療は薬物的治療に重点をおく傾向にあり、食事指導に関してはあまりされていないとのことです。
 【WHOでは”おも湯、三分、七分、全粥、軟飯と徐々にレベルを上げていく方法”のような伝統的下痢治療食は誤りだ、駄目だと真正面から反対している】とのことでした。
 現在当院では、健診の時おもに、離乳食についてのみ栄養指導を行っていますが、今後、嘔吐・下痢・便秘の時などにどのような食事治療が必要か等についても指導できるよう取り組んでいきたいと思っています。

「外来における電話活用法~受ける電話、かける電話で患者フォローの充実を~」に参加して 受付事務 I
 小児科外来では電話は朝から晩までフル活用です。患者側は病気や育児の不安解消に活用し、「受診するまでもないがちょっと気になって・・・」等の電話は一日に何件もかかってきます。また、電話を受けるだけでなくこちらから気になる患者さんに様子を伺う電話をする、患者フォローとしても使っています。相手の顔が見えない、症状が把握しにくいなど難点もありますが、保護者の不安を和らげ、安心して家庭で過ごせるように電話でのフォローを心がけたいと思っています。
 多くの患者さんは、”病院スタッフ=専門的な知識を持っている”という認識で職種を意識せず話されます。スムーズに応えるためにはスタッフ一人一人に専門家としての知識と意識が必要です。職種を問わず、一歩進んだ患者フォローのために私たちに出来る事、そのよりよい活用方法を考えてみようと参加しました。
 電話が、医療側と患者側の掛け橋になるよう活用していきたいと思っています。

「子供の睡眠障害」に参加して 看護師 K
 睡眠障害の中で、時々夜泣きの相談を受けますが、原因がはっきりしないことが多く、医療者側の良いアドバイスが出来ないのが現状です。今回、一歳の子どもを対象にしたアンケート調査結果をもとに対応方法等、話合われました。
 現在は核家族化が進み、住宅事情等の変化もありお母さん方の夜泣きに対する受けとめ方も変わってきています。意外に医療側に相談せずに悩みを抱えているお母さんが多いようですが、原因不明の夜泣きは一過性のものであることが多く、あまり深刻に考えすぎないことが大事です。そのうえで、子どもの生活リズムを見直し改善できるようにできたらと思いますので、夜泣き等困った事があれば一人で悩まず気軽に相談して下さい。

最後に・・・!!
 毎年外来小児科学会に参加し、また院内にて勉強会もして、職員一同まだまだ努力と、勉学に励んでいます。病期のことや検査のことは日々新しい情報や、やり方も進むでいます。患者さんのためによりよい医療を提供できすようにこれからも頑張りたいと思います。
~クリニックだより 編集長より~


~ニューフェイス紹介~
 9月からスタッフに加わりました、検査技師 Kです。3歳と8歳と、2児の母親やっています!我が家の「子育て奮戦記」は、今月より新たなる展開を迎え、まだまだ継続中です。自分のための時間も大切にしたいなぁと、考えている今日この頃です。
皆様どうぞよろしくお願いします!!

      

*田村こどもクリニック*
http://www.inforyoma.or.jp/tamkocli/