高知母乳の会講演会・総会から 報告●●●
母乳育児の体験から


自分と子どもの気持ちがいちばん

 石川 安恵

 上の子は4歳になりますが、まだおっぱいが大好きで、1歳になる弟と一緒にゴクゴク飲んでいます。
悩んだ時期もありましたし、今でも「いいのかなぁ?」とは思っていますが、飲みたいだけ飲ませてあげようと思うようになりました。
 よく、母乳育児は1歳を過ぎてからが楽しいと言いますが、本当にそのとおりだと思います。生まれてからしばらくは、お腹が空いたら泣くだけですよね。いつも授乳する場所が決まっていましたので、動けるようになると、そこに行って泣いていました。それから、私を引っ張ってその場所へ連れて行くようになりました。
しゃべれるようになると「おっぱい」、もう少ししゃべれるようになると、「おっぱい飲みたぁい」と言うようになりました。
 4歳にもなると、飲んでいる最中で「出んなったき、こっち」とおっぱいを変えてみたり、出やすいように揉んでみたりします。
 人に言われたから…とか、本に書いてあったから…とかの理由で断乳される方もいらっしゃると思います。でも自分も飲ましたくて、子どもも飲みたいのであれば無理して止めなくてもいいのじゃないのか、と思います。

   

私と息子を引き合わせてくれた大切な思い出

 尾木 さおり

 

 研修医2年目で思いがけず、結婚、出産をすることになり、今まで子どもと関わった経験のない私は、不安でいっぱいのまま、初めての出産を迎えました。妊娠中に義父が母乳育児をすすめてくれていたので、出産直後、生まれたての息子を分娩台に連れてきてもらい、初めての母乳を吸わせました。その吸う力の強かったこと!うれしい驚きと発見でした。
 その後、息子が泣くたびにせっせと吸わせるのですが、ほんの少ししか母乳は出てくれませんでした。早々にあきらめてしまいミルクも与えてみたのですが、息子はゴムの乳首をいやがって全く飲んでくれませんでした。本当に出るのだろうかと不安で夜も眠れないし、強く吸われるため乳首が傷になってしまい、吸われるたびに飛び上がるほど痛かったのを覚えています。ところが、1週間がたち退院して夫のいる自宅に帰った次の日から、なぜか母乳が溢れるように出るようになり、夜も眠れるようになりました。
 その息子も、もうすぐ私の身長を追い抜くぐらいになりましたが、今でも息子のうしろには、お乳を与え一緒に眠り遊んだ赤ちゃんの頃の息子がいつもいて、どんなことがあったとしても見捨てたりはできないだろうなぁという思いがあります。私にとって母乳育児は私と息子を引き合わせてくれ、一緒に赤ちゃん時代を過ごさせてくれた大切な思い出です。これからも、お母さんたちが、子どもと心の絆を作れるような幸せな授乳期を応援していきたいと思います。



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