● リレー投稿第6弾:〜ラ・レーチェ・リーグの会に行ってみました〜● 石田 佳織(一般)●●● 8月24・25日と東京都で開かれていたラ・レーチェ・リーグのエリア・コンファレンスに参加してきました。 まずラ・レーチェ・リーグについてご説明>ラ・レーチェ・リーグは、『“母乳で育てたいお母さんを支援する”母親によるボランティア団体』(ユニセフやWHOとも協力関係にあるNGO団体)で、現在ではその活動は約70の国々に広がっていますが、そのスタートは、7人の母親たちによるものだったそうです(1956 年アメリカ)。特徴としては、『母親から母親へ』という独特の支援の方法であること、『一対一の人間的なあたたかみを大切にしながら』ということ、そしてたくさんの母親たちの『経験に基づいた実用的なものであると同時に、世界中の医師や医療専門家からなる医学諮問委員会で、科学的に裏付けられた最新の』情報を提供しているということです。(文中『 』内はラ・レーチェ・リーグHP内文章より抜粋しています) 今回日本でのエリア・コンファレンスは2回目(前回は2006年)。残念ながら、現在高知県にも四国内にもこのラ・レーチェ・リーグの集いを行なっている場所はなく、私は初めての参加になります。会場に行くと、赤ちゃん連れや妊婦、そして当日ボランティアで小さな子の面倒をみるくらいに成長した子を連れて参加している方など色々な年代の方があふれ、その活気にとても嬉しい気持ちがしました。2日間に渡っての開催中、さまざまな講師による貴重なお話を聞き、懇親会にも参加し、楽しんできました。 創始者の一人メアリーさんからは、母乳育児について「自然だけれど、いつも簡単とは限らない」と自身の母乳育児のつまづきや大変だった経験を話すとともに、身近な医師が、メアリーさんの能力を信じてくれたことと、実用的なアドバイスをくれたことが母乳育児の支えだったとを、それから、会場の母親たちに対して、体験を通しての母乳育児のすばらしさに加えて、「何かにいきつくまでに色々な困難があるのは通常のことです。何か難しい状況にあるときは、それはいつまでも続くわけじゃないことを覚えておいてください。そしていつもうまくいくとも限らない。時には予想外のことが起こってしまいます。母乳育児ですべてがうまくいくと言えればいいですが、そうとは言えません。植えた種、育てた種がどう花開くかは分かりません。ただ、あなたが種をまいたところに花が咲くということです。あなたがしていることはとても大切なことです。」というメッセージもあり、印象的でした。 ジャック・ニューマン医師からは、1日目には、母乳と人工乳との成分についての最新の情報と、母乳特有の成分についての詳しい説明があり、2日目には具体例ということで、授乳姿勢についてや赤ちゃんがきちんと飲めているかのサインの読み取り方などのほかに、赤ちゃんが吸いつくことができない等様々な困難のあったケースの母乳育児の報告、データ(例えでは体重計の数値)を重視しすぎることによる問題について医師へメッセージなどがありました。橋本武夫医師からは、脳の発達の視点からみる母乳育児の重要性についての分かりやすい説明の後、母乳育児の支援について、医療職の陥りやすい誤りや間違った指導について、母乳不足感と飲みすぎ症候群についての話があり、その人にとって何が最も適するかを探し出すオーダーメイドのケア、サポートができること、個別的医療を考えていくことの重要性、母乳をやれなかった人にこそ支援の真髄があるという考え方についてもお話なさいました。今度11月にこちらにいらっしゃる青葉達夫歯科医のお話もとてもわかりやすかったです(内容は11月をお楽しみに) また、実際行われているようなラ・レーチェ・リーグのの集いの形式でのひとときもあり、様々の年齢の母親たちから「母乳育児をしていて、辛いなと思ったとき」について、また逆に「嬉しいなと思ったとき」について意見をだしあい、出た意見はまた次の意見とつながり、家族のこと、仕事のこと、自分の精神的余裕のこと、色々な思いをわかちあえるあたたかなやりとりが続きました。 今回、参加してみて、色々なきちんとした情報を勉強できたことも、懇親会で他県の色々なお話を聞けたこと、同じような思いを持っている方や先輩の話を聞けたことも、とても有意義で感動の多い経験になりました。ただ仲間として、当事者本人が、本人の力で、考え、選び、経験し、学んでいけることに寄り添っていく、そこに共感などの感情的な支えだけでなくきちんとした知識と能力・技術がある、というのは、母乳育児をしている、していこうと思っている母親たちにとって、とくに現代、必要とされているもののような気がしたりもしています。高知県にも出来たらいいな・・なんて思いながら帰ってきました。 |