● リレー投稿:第16回母乳育児ワークショップ・熊本● 細川
 10月23日、24日と熊本の阿蘇五丘を眺めながら?(残念ながら天気が悪く霧のためあまり見てなかったのですが・・・)母乳育児ワークショップに参加してきました。ワークショップでは 1.NICU入院中の母乳育児支援、2.産科退院後の母乳育児支援、3.乳房トラブル、4.母乳育児のための出産前からの支援−母乳育児へのイメージづくり、 5.母乳育児、出来るだけ長く続けてもらうには?6.母親にやさしいとはなにか 7.分娩室での早期皮膚接触を安全にかつ安楽におこなうためには、8.母子同室を安全に行うために 9.退院後、体重増加が少ない赤ちゃんへの母乳育児を支える、10.24時間以内の頻回授乳をどう支援するか、という10テーマについて各グループ、7〜8名でおこなわれました。この会で印象に残ったことの報告をさせていただきます。

  1. のテーマでは完全母乳=母乳育児と思わせると母親にとって負担になる。量にこだわらないように声掛けをする、1滴のおっぱいが大切ということ、またお母さん自体が大切にされていると思うことへのケアが大切という発表がありました。
  2. のテーマでは24時間の電話相談、授乳管理入院、家庭訪問、電話訪問をされている施設があったり、産後の母親学級をし、お母さんたちの思いの共有を特に目的にしており、ここでは混合栄養のお母さんに配慮が必要という発表がありました。
  3. のテーマでは妊娠中におっぱいづくりをするための食事を、両親学級で栄養士さんと一緒に食べている病院や、育児をされていいる母親を支える家族に対してこんな風に支えてあげてね、というお手紙を医師から渡しているという病院もありました。病院で出されるお祝い膳もおっぱいの張る痛みをわかって反面教師になっていいんじゃないという意見も出ました。
  4. のテーマではテレビでは妊娠出産シーンはあっても、おっぱいを飲ませるという育児の部分が一般のシーンがない。母親学級、性教育などでもっと早期皮膚接触やおっぱいのシーンがあり、それがみんなの中にふつうになればという発表がありました。
  5. のテーマでは母乳をやめたくなる時に相談ができるように、や誕生日会をするなどの意見がありました。
  6. のテーマでは頑張る人ほど追い込まれる。母、児、スタッフともに追い込まれている。その人にとって必要な優しさを見極める、手を添え心を添え言葉を添えることが大切、という発表でした。
  7. 8.のテーマではテレビで報道されたような事故は早期皮膚接触をしてもしなくても同じ率という発表もあり、早期皮膚接触をしたから事故が起きるという感覚は現場では受けないが、ガイドラインが出た以上はそれに沿ってケアをしていかなければならない。しかし、早期皮膚接触はドップラーでない真の赤ちゃんの声がすぐ近くに聞ける、という意見がありました。 また、ある病院ではお母さんが早期皮膚接触をしたあと、お父さんもしていて、お父さんの緊張した表情がほぐれるという発表がありました。
  8. のテーマでは、裏にはうつが隠れていることもあり、EPDSで産後うつを早期発見し保護センターに連絡することで改善してきている地域があるということでした。
  9. のテーマでは、24時間の頻回授乳は人間の基礎をつくる過程である。お母さんを支えるのは家族とスタッフ、スタッフを支えるのはスタッフ、カンファレンスやディスカッションを通し、同じ思いを共有することが大切ということでした。
最後にこの会でどこかのグループでお母さんに対して近親者が言ってはいけない5か条という発表がありましたので、それを報告して、終わりにしたいと思います。  1.がんばって 2.ミルク足したら 3.そんなに泣かしてかわいそう 4.抱っこしたら抱き癖がつく 5.母乳は出てるの?


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