――’95年の成果――
当院では母乳の指導をしています。’95年に来院され、人工ミルクを足していたお母さんが、どの程度母乳がでるようになったかまとめてみました。 母乳だけにしたいが、人工ミルクを足している方で、母乳指導後2回以上来院され、経過がわかる方が80人でした。この中には母乳を出したいということで来院された方もいますが、健診とか咳や湿疹で来院された方の方が多いようです。 |
図1のように1週間で早くも母乳のみになっている方が10人、1ヵ月後では、診察できた方のうち26人が母乳のみになり、人工ミルクを足している方も母乳がほとんどの混合栄養になっています。 |
![]() A:母乳のみ、B:母乳>人工ミルク、C:母乳≒人工ミルク D:母乳<人工ミルク、E:人工ミルクのみ |
図2は母乳を出す工夫をして1ヵ月後のまとめです。人工ミルクを足していた80人のうち58人が母乳量が増加し、29人は人工ミルクを中止しています。この図は1ヵ月後の結果ですが、この後も努力した方を加えると、最終的には36人が母乳のみになっています。この80人は全員が”自分の母乳は出ない”と思っていた方ですから、いかに無駄な人工ミルクを与えていたかがよくわかります。 |
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図3は当院を最初に受診した時の月齢で分けています。1ヶ月までに母乳指導を受けた方は24人・47%が母乳のみになっているのに比べ、2ヶ月以後に母乳指導を受けた方では5人・17%しか母乳のみになっていません。これからわかるように母乳哺育をしたければできるだけ早く、できれば1ヶ月検診までに当院を受診し、母乳指導を受けてください。 |
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図4は初めての子か、2人目以後の子かで分けてみました。これにははっきりした差は見られません。ということは、最初の子が人工ミルクだったからと言って母乳哺育をあきらめることはない、ということです。2人目以降の方も初心に戻って母乳を出しましょう。 |
では、どうすれば母乳が出るのでしょうか?
一番大切なのは人工ミルクを足さないことですが、ここでは人工ミルクを足している段階からのやり方を説明します。![]() ![]() 母乳量が増えにくい要因としては、お母さんの意欲の少なさと、陥没・偏平乳頭、他の家族の過干渉などもあります。又、仕方がない場合としては、子供やお母さん自身が病気になる時があります。母児ともに健康に注意して母乳を出しましょう。 |