"母乳育児を成功させる為の10ヵ条"
 主催:ユニセフ、WHO(世界保健機関)
  後援:厚労省、日本医師会


 母乳で育てるように、この10カ条は1993年ポスターにもなって、全国の産科にはるよう厚労省・医師会も指導したことになっています。が、さて皆さんがかかった産科でこのポスターを見かけたでしょうか?

1.母乳育児推進の方針を文書にして、すべての関係職員がいつでも確認できるようにしましょう。

 "すべての関係職員"が大切です。医者や助産婦だけでは足らないのです。

2.この方針を実施するうえで必要な知識と技術を、すべての関係職員に指導しましょう。 

 実際には、母乳の出し方を知っている医者はごく小数です。医者でさえそうですから他の職員はまず知らないと思って下さい。そして母乳の専門家は助産師です。

3.すべての妊婦さんに母乳で育てる利点とその方法を教えましょう。

 今の時代は、母乳で育てて得をするのは赤ちゃん本人と母親だけです。母乳をやめて人工ミルクにしてくれたら儲ける人の言葉に惑わされないようにしましょう。

4.お母さんを助けて、分娩後30分以内に赤ちゃんに母乳をあげられるようにしましょう。

 分娩台の上で、"生まれましたよ"と赤ちゃんを見せてくれた時、乳首を口に入れてあげます。赤ちゃんは、生まれて初めて口に入った物を、お母さんの乳首と認識します。

5.母乳の飲ませ方をお母さんに実地に指導しましょう。また、もし赤ちゃんをお母さんから離して収容しなければならない場合にも、お母さんに母乳の分泌維持の方法を教えましょう。

 腕のいい助産師さんはお母さんの乳首が扁平でも、陥没でも、赤ちゃんが吸えるようにいろいろ工夫してくれます。双児でも、未熟児でもあきらめません。

6.医学的に必要でないかぎり、新生児には母乳以外の栄養や水分を与えないようにしましょう。

  私が習ったのは、まず糖水を飲まし、吐かなければその3時間後からようやく母乳を飲ます方法でした。医者はこういう間違った方法を習っているのです。

7.お母さんと赤ちゃんが一緒にいられるように、終日母児同室を実施しましょう。

  昼間だけ一緒とか、3日目から一緒とかでは母乳は止まってしまいます。そんな時は医者や看護師に"夜も面倒みます"と言って下さい。

8.赤ちゃんが欲しがるときは、いつでもお母さんが母乳を飲ませてあげられるようにしましょう。

 3時間毎に飲ますというのは病気の子供に対するやり方です。正常な子は1時間に何回も欲しがったり、4~5時間寝ていたりします。

9.母乳で育てている赤ちゃんにゴムの乳首やおしゃぶりを与えないようにしましょう。

  離乳食の準備で、ジュースやスープを与える時も哺乳ビンは使わず、スプーンにします。おしゃぶりをくわえっぱなしにすると歯並びに影響しますし、第一見ていてかわいそうです。

10.母乳で育てるお母さんのための支援グループ作りを助け、お母さんが退院するときにそれらのグループを紹介しましょう。

 当院ではいろいろなイベントをしています。お母さんの友達を作って、子供の友達もついでに作ってあげましょう。その他、心配事があればなんでも相談して下さい。緊急時は電話でもかまいません。乳腺炎の治療もしています。夫婦間のトラブルを相談する方もいますのでどうぞ。

 


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*田村こどもクリニック*
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