NO.111 2013・04・01 前のページ   次のページ  index  top
   ぽかぽか春の陽気の中、今年も心待ちにしていた桜が満開に咲き誇り、 私たちの目を楽しませてくれています。少しでも長い間見ていたいものですね。雨や春の嵐がきませんようにと願うばかりです。春は門出の季節、卒業や入学または引越しなどで何かとお忙しいと思いますが、 無理をされませんように・・・
どうだった?保護者講座
2013/02/21 保護者講座
こどものおなか(消化器官)~腹痛・検査でわかること!~
 子どもが「お腹が痛い」と言った時、お腹の中の様子は外から見えないし、 どのくらい痛むのか?どんなふうに痛いのか?本当に痛いのか??  親としては大変不安になる訴えだと思います。ほとんどの病気は症状の一つに“腹痛”を伴うことが多く、「もしかしたら、すぐに病院に連れて行かないと手遅れになるのでは・・!」と心配になる保護者の方のために今回保護者講座でお話ししました。

 「痛み」とは、命にとっての信号です!痛いと食欲はなくなりますが、これは症状の悪化を抑えようとする身体の“しくみ”なのです。特に痛みの出やすい器官は消化管ですが、おとなと赤ちゃんでは消化管の形や働きに大きな違いがあります。

赤ちゃんは消化器の働きが不十分なのに消化されにくい物でも吸収してしまうという特徴をもっています。なので、離乳食の役割が大切であり、離乳期前後では腸内細菌叢の種類も大きく変化し、ヒトの身体を守る腸管免疫に関わります。

 安心してよいお腹の痛み・・・などというものはありませんが、とりあえず様子を見てよいものはよくあります。繰り返し痛くなっても、痛まない間は元気がよい。しくしく痛みが続いても、強い痛みに苦しまない。血便はチョットだけで元気はある。     なんとか水分はとれている等。心配な痛みとは・・・だんだんひどくなり苦しみだす。これは原因がなんであれ、悪化しています。痛みを繰り返すうちに元気がなくなる。これは全身状態が悪化していることを示しています。便を真っ赤にするような大量の血便や、出血斑が出る。水分がとれず、顔色が悪い等です。

 乳児の場合は心配や不安に思った時は、どんな症状でも小児科を受診することが大切です。お薬も出されず、「様子を見てください」と帰されることは多いかもしれませんが、経過観察がその後の診断に大きく関わることも多いのです。

 一般的には、ノロウイルスやロタウイルスといったウイルス感染症の心配もあると思います。インターネットで検索してもノロウイルスの恐さを強調するものが多いように思います。検査技師の立場から言うと、ウイルスは細菌とは違い、   ヒトの細胞の中でしか生きられない生物なのでそんなに恐がる必要はないのに・・・という考えです。

 「腹痛」を主症状とする病気は全身の臓器や神経や血管などといった大変広範囲な原因が考えられます。がその反面、患者さんの症状を聞くことで原因となる病気が推測可能になるという特徴をもっています。些細なことと遠慮せず、上手に症状を伝えること!!が肝心です。  当院では「私のカルテ」という何か症状があったらすぐにメモできる手帳をお渡ししていますので、診断の把握の手がかりにするために活用していただきたいものです。

田村こどもクリニック 臨床検査技師:山崎

    

前のページ   次のページ   もくじ   トップ
Copyright(C) TAMURA Kodomo Clinic.
*田村こどもクリニック*
http://www.inforyoma.or.jp/tamkocli/