NO.131 ~ 2016・6  ~ 前のページ   次のページ  index  top

 初夏を思わすお天気が続いていましたが、今年もとうとう梅雨入りが発表されました。
この先1ヶ月くらいはジメジメした毎日ですので気分も滅入りがちになりますね。明るくさわやかな装いで気持ちぐらいは明るくしていたいものですね!




 保育園・幼稚園、小中学校または高校に通っていると、1年に一度は必ず“尿検査”がありますね。 これは体の中の左右2つある腎臓が元気に働いているかどうかを調べています。
腎臓は、オシッコをつくるところで、体の中のいらないもの(とりすぎた塩分や糖分)をとかして外に出す役目をしています。

Q.  なぜ、病気の時にも尿検査をするのでしょうか?

A.  何の症状もなくても検尿で異常が見つかることがあり、

いろんな“病気の手がかり”となるから。



解説・・・

 腎臓病の大部分は尿に異常を伴っていますから、症状のない腎臓病を見つけるには検尿が特に重要なわけです。 腎臓病と言ってもいろいろで、腎臓結石や急性腎炎で肉眼的血尿(目で見て血尿とわかる)やネフローゼ症候群で浮腫(むくみ)がある場合、 あわてて病院に駆け込みます。しかし、腎臓病のほとんどが無症状であることが多いのです。 これをいち早く見つけ出すもっとも簡単で有効な方法が“検尿”なのです。
 最近の検尿に使われている試験紙は様々な検査をしてくれます。検尿の異常=腎臓病ではありません。 小児では、オムツをしている0歳児に尿路感染症による発熱が多いことが言われていますが、 尿を顕微鏡で見るという簡単な方法ですぐに異常を見つけることが出来るのです。 また尿は全身の状態、例えば脱水の程度、食事が摂れているかどうかも反映します。 点滴をするかどうかの目安にもなりますので、病気が長引いている時には朝一番の尿を持って来てもらったら助かります。




★尿検査で見つかる“尿路感染症”

 原因のわからない熱が5~6日も続いている子で、食欲が落ち、だるそうにしているくらいで目立った症状がない場合… こんな場合は“尿路感染症”を疑ってみます。大腸菌を始めとする細菌で起こるのが普通で乳児にもみられます。 細菌をなくすために抗生物質を飲みます。


★ちょっと特殊な“ぼうこう炎

 子どもにはちょっと特殊な“出血性膀胱炎”があり、ほとんど症状がなくいきなり赤い尿が出でて本人や周りが驚くことがあります。 しかし、軽い病気でウイルスによるものと言われ、自然に治るのがほとんどです。


★幼児の膣炎

 子どもに黄色または緑のおりものがあるとびっくりして来院されることがありますが、 膣炎は子どもではよくある病気です。大人のようにトリコモナス(原虫という微生物の一種) などでなることは少なく、大腸菌や連鎖球菌などによることが多いです。 かゆい以外にあまり症状がなく簡単に治ります。

                         (検査技師:山﨑)



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