|
● 第2回母乳育児検討会報告●●●
テーマ:産後の母子同室 平成15年3月25日(火)午後7時〜午後9時高知県医師会館3階ホール
3月25日(火)、午後7時からの高知母乳の会第2回総会に引き続いて、第2回母乳育児検討会が開催された。「産後の母子同室」をテーマに21名の参加があった。
まず、くぼかわ病院産婦人科の福永寿則さんが出産直後のカンガルーケアや母子同床の写真などを示しながら、分娩からの自然な流れとしての母子同室を紹介した。
母子双方に豊かな愛、喜びをもたらす豊かな母子相互作用は、出産後から母と子が離されることなく一緒にいることにより、自然に、困難なく可能となる。出産直後からの24時間母子同室をしているくぼかわ病院のデータでは、母子同室で赤ちゃんがいることに4.1%の母親が不安を感じたが、それは一時的なものであった。逆に82.2%の母親は「安心できた」と答えている。また、産褥0〜4日の間に「赤ちゃんが泣き止まない」「疲労感が強い」など母親の希望で1回以上、赤ちゃんを新生児室に預けたのは10.3%のみであった。母親の感想としては「子供が生まれてきてくれた幸せを、強く感じることができました。」や「赤ちゃんの普段の様子が把握でき、退院後でも異常にすぐに気づいてあげられる自信がついた。」「自分の生活のリズム、体のリズムが自然と赤ちゃんにあわすことができ、赤ちゃんのいる生活が無理なくあたりまえのこととして流れた。」などがあり、入院中にすでに赤ちゃんのいる生活に慣れ、育児に自信を持って退院されている。
次いで、高知赤十字病院の4人部屋での母子同室の取り組みを、助産師の久保道代さんが紹介した。
母親の希望に合わせ完全母子同室、昼間だけの半母子同室、母子異室を選択しており、平成14年度の同室率は65.4%であった。分娩は母親に無理のない側臥位の姿勢が多く、出産直後のカンガルーケアや母子同室の導入により新生児感染症の頻度も減少しMRSA陽性率が低下した。また、産後は大部屋のため面会制限があるので、出産後の2時間は分娩室内、分娩台の横にベッドを入れLDR的にととのえ、御家族にも入っていただき一緒に幸せな時間を過ごしていただく工夫などもしている。このような取り組みにより母乳率も改善傾向にあり退院時86.4%、1ヶ月健診時64.2%であった。現在母子同室を希望する母親が増加しており、同室用の部屋の確保など、出産直後からの24時間母子同室に向けてさらに検討中である。
嶺北中央病院の助産師、山本千秋さんは、LDRシステム(陣痛室、分娩室、回復室一体型病室)を利用した母子同室、母乳育児の取り組みについて紹介した。
嶺北中央病院のLDRは18畳と広く、トイレ、シャワーなどを完備し、家族も泊まれるものである。「母と子の絆を深める事を目的に母乳育児の確立、母子分離をしない、そして思い出に残る出産、育児の手助けをしよう」を柱とし、昨年から本格的に出産直後からの母子同室・母乳育児に取り組んでいる。取り組み後、新生児の初期嘔吐が減少し、また、「目的をもって関わることでやりがいを感じる」「カンガルーケアで母子共に安心して気持ちよさそうな姿をみて、これが本来の姿なのかと認識させられた」などのスタッフの声も聞かれた。

3人の発表の後の質疑応答・フリートークは時間が短くなったが、「母子同室、母子異室と並べて言うこと自体すごく違和感があり、本来お母さんと赤ちゃんは出産後一緒にいるのが当たり前」などの声が聞かれた。
(文責 福永)
|