◆ シンポジウム◆ 「今、どこで、何が、問題なのか」 神奈川県立汐見台病院 産婦人科医師 早乙女 智子さん 「どうする?日本のお産ディスカッション大会」の実行委員として全国各地を巡ってこられた早乙女さん。日本の産科医療の現状と問題についてお話して下さいました。助産師と産科医師の連携システムなど各地の取り組みの紹介もあり、これからの周産期医療システムについて示唆をいただきました。![]() 「高知の出産施設と産科医の現状」 高知大学医学部附属病院 産婦人科医師 林 和俊さん 高知県の産科医療について、高知県の地理的事情や産科施設、産科医師の現状もふまえてお話して下さいました。高知県の年間出生数の半数以上(約4000件)は高知市周辺に集中しており、もうすでにお産の集約化は進んでいること。また高知県でも産婦人科医師や助産師数はこれから減少していくと考えられるため、よりいっそう産科に関わるスタッフの協調姿勢が必要であること、お産のリスクを見直し、施設の機能分担が必要であることなどが示唆されました。 「産院不足の地域で助産院が果たす役割について」 愛媛県四国中央市 マミー助産院 助産師 佐々木 真理さん(代理 今村 朋子さん) 平成17年12月にマミー助産院を開院。4ヵ所から1ヵ所に出産施設が激減した四国中央市のお産事情も含めて、開業までの経緯と地域の中での助産院の役割についてお話して下さいました。助産院の特長を生かして自分たちが地域で果たせる役割を日々模索しながら、嘱託医や連携医療機関、地域の保健センターや行政とのつながりを大切にして活動されているとのことでした。 ![]() 「ママが安心して幸せな気分で赤ちゃんをだっこできるサークルにしたい」 徳島県海部郡海陽町 妊婦サークルプレママクラブ代表 母親 中島 育代さん 平成17年6月、第3子妊娠中に妊婦サークルを結成。県立海部病院の産婦人科医不足の現状も含めて、これまでのサークル活動経過をお話して下さいました。とてもユニークな活動が紹介され、妊婦さん同士の活動の中で女性自身が自分で産むんだ!という心と身体づくりを目指していること、そして産婦人科医や助産師が住みたいと思える地域づくりを目指して活動していることが話されました。 ◆ グループディスカッション◆ 午後からは、4〜5名のグループに分かれて、次の5つの小テーマについて「誰が・・・何する・・・」という具体的な対策を自由な発想で話し合いました。説得力のある意見から、現実的でないアイディアまで、様々な意見が飛び出しました!このような形式で、難しい議論ではなく、思いついたままにアイディアを出し合うディスカッションにしたことで、お産問題の解決は専門家のみにゆだねられているのではなく、だれもがこの問題に向けて行動できる当事者である、という思いを皆さんが持ったのではないかと思います。グループワークの後は、グループごとの意見を記したポストイットを模造紙に貼って全体発表を行い、意見を共有しました。その意見の一部を紹介します。 (1) 増やす:お産の専門家〜産科医、助産師、小児科医〜のなり手を増やすには? ![]() 「国や都道府県が助産学校を増やす・金銭的にも補助する・専門学校を失くさない」など、助産師の養成機関そのものの充実を求めえる声が多く出されました。「産科医・助産師が学校の先生に自分たちの仕事の素晴らしさをきちんと伝える」というように、なり手を増やすために、現在、働いている人が職業をアピールすることも必要だという意見がでました。 ファシリテーターの熊手さんと実行委員長の |