Natural Birth Day 吉村正 医師 講演会報告 ●●●
 皆様、はじめまして。Natural Birth Day〜吉村正医師講演会〜 を企画発案した真鍋明子と申します。皆様の多大なるご協力のお陰で多数の方々に参加いただくことができ、本当にありがとうございました。高知ナチュラルネットワーク一同、心よりお礼申し上げます。簡単ではありますが、企画発案に至った経緯と講演会の内容をまとめさせていただきます。
 吉村医師との出会いは、今年の1月でした。先生のことは以前からテレビや雑誌で拝見しており、1度は行きたいと思っていた吉村医院に友人の助産師と一緒に研修に行かせてもらいました。たまたまお産がなかったお陰(?)で、先生は私たちのためにちょくちょく足を運んでは長年の経験から得たお産哲学を語ってくださいました。先生の思想に触れ、目には涙が溢れていました。自分自身の助産を振り返り生命とちゃんと向き合えていなかった自分に気づくと同時に、助産師としての在り方を、そして1人の女性としての在り方を改めて考える機会となりました。
 お産にも個性があり、いろんなスタイルがあります。ただ忘れてほしくないことは自分がどう産みたいか、そしてどう迎えたいかということ。知ることで変わる未来があります。命がけで生命と向き合い続ける先生の思いを高知のみなさんにも知っていただきたかったのです。
 講演会の内容はとても素晴らしく感動いたしました。紙面の都合上すべてを掲載できないのが残念ですが、心に残ったほんの1部を紹介させて頂きます。全容は、著書を紹介していますので(4ページ)参考にされて下さい。

☆講演会内容☆ 
 お産は自然であるのに、現在はまったく不自然なものになっています。現代科学技術の成果により周産期死亡率はこの50年間に激減し、母親がお産で亡くなる割合も非常に少なくなりました。しかし、お産の幸せが正反対になっています。
100年前、お産は楽しみであり、女性にとって最大の喜びでもありました。赤ちゃんを産む喜び、抱く喜びを自然に感じることができていました。しかし、今の妊婦さんは1日中ゴロゴロ・プクプク・パクパク・ビクビクしています。昔は、昼夜なく動くことが幸せでした。お産は○○法でできるものではなく、宇宙の力でしています。女性は子どもを産み育て、命を紡いでいくために生まれてきたのです。お産は喜びです。哲学・宗教・文学すべてがつまっています。
吉村医院では江戸時代の古屋を復元・移築し、そこで古典的労働をすすめ、よくよく歩くよう指導しています。1日スクワット300回、歩くこと3時間、これができなければうちでお産はできません。また、卵・牛乳・肉・甘いものなど西洋の食事はダメです。伝統的で自然な食べ物をすすめています。
吉村医院の産婦さんは、お産が気持ちよくて仕方ない。みんな原始的な脳で産んで気持ちよくて仕方ない表情をしている。自然に生まれると赤ちゃんも気持ちよくてスースー寝てしまいます。赤ちゃんがかわいくて、どんどん産みたくなってきます。自然なお産をすると、本当の女性・本当の母親になり、生き方が変わります。
動物園の動物は、自然に妊娠しなくなり異常も増え、自分でお産・子育てができなくなります。生命が燃えていないからです。人間においてもそういう女性になっているのです。自然に産める体力・精神力があれば、人に任せることなく、医者もいりません。日本人が燃えないからお産が上手くいかないのです。
以前、無脳児と診断され中絶をせまられた妊婦さんが吉村医院に来られました。脳がなくてもお腹にいる間はお母さんに守られ、生きることができます。その妊婦さんは、危険を伴ってもいいから生きている限りは生命を大切にしてあげたいと訴えられました。自然にお産され、生まれて10時間位で亡くなりましたがその間、抱きしめて、頬ずりして、名前を呼んで、上のお子さんも赤ちゃん、赤ちゃんと・・・生きている間大切に愛情を注がれていました。
自然の力だけでなされたお産が母子の幸せにとっていかに大切かは限りがありません。その詳細は私の著書をよく読んでくだされば、より深くご理解いただけると思います。本質的に妊娠に医学的異常があれば致し方ありませんが、そんなことは非常に稀です。女性として母として真の幸せなお産と喜びあふれる子育てに向かって自然な妊娠期間を過ごしていきましょう。

〜吉村 正 医師プロフィール〜
1932年、愛知県生まれ。医学博士。約45年間に渡り、2万例のお産をみてきた。
産院の裏側に江戸時代に建てられた茅葺民家を移築。そこで妊婦に薪割りやノコギリ引きなどの「古典的労働」をすすめている。1999年にはより自然のままのお産を実践すべく、日本の伝統的な建築様式の「お産の家」を建てた。


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