● 第33回定例会 ● 今回は、高知ファミリークリニックの産科統計と母乳育児困難だった症例の報告がありました。内容の一部をご紹介いたします。 まず、高知ファミリークリニック医師、福永寿則さんより2008年度産科統計の発表がありました。ここでは発表の中の入院中の栄養状況と母乳率をご紹介します。 入院中の栄養状況 人工乳追加7.0%、糖水追加7.0%、完全母乳率87.5%、除外例1.3%、 退院時 人工乳のみは0.0%、混合は5.3%、母乳のみ94.7%(内0.8%に搾母追加) 以下退院後1か月健診までに他院に入院した4症例は除く 2週間健診時 人工乳のみは0.2%、混合は9.6%、母乳のみ90.2%(内0.4%に搾母追加) 1ヶ月健診時 人工乳のみは1.0%、混合は15.8%、母乳のみ83.2%、完全母乳74.4% と紹介がありました。また、産科データ、児の体重減少増加率なども発表していただきました。 次に、助産師の細川志乃さんより、1例目は早産した母親の母乳育児困難だった症例、2例目は児の吸啜が下手で母乳育児困難だった症例、3例目は前回混合栄養で入院中は母乳分泌が十分でなかったが継続した母乳育児サポートが上手くいった症例について紹介がありました。1例目は初産婦さんで入院中は母乳分泌不良のため混合栄養だったのが、退院時には母乳分泌アップし母乳栄養のみで退院したものの、家では母親の不安があり、混合栄養になっていたという症例でした。2例目は経産婦さんで第1子、2子ともに母乳のみで育てており、分泌も良好であったのに、児の哺乳意欲がなく、効果的な吸啜がえられず、混合栄養となった症例でした。3例目は前回は混合、ほぼ人工栄養の経産婦さんでした。乳房はV型乳房、ほぼ扁平乳頭であり、入院中も母乳分泌が十分でなく、授乳方法も浅くなりがちで困難でしたが、徐々に母乳分泌アップし、何度も何度も授乳指導する中で、母親も授乳方法を身につけ、退院時に母乳のみで児の体重増加がみられた。その結果、母親に母乳でいけるという自信がつき、「(人工乳は)足しません」という母乳育児への母親の意思へとつながった症例が紹介されました。各症例に対しての意見交換があり、あっという間の2時間でした。 今回は、新しく託児所経営のご夫婦がお子さんと一緒にご参加くださり、うれしく思いました。 ![]() ![]() |