● リレー投稿● 「母乳で育てたい」その願いをかなえる地域での支援
平成10年、生後2週間以内の母乳率56%が、4ヶ月健診時には、40%に低下する現状から、母乳育児を希望している母親の母乳育児を支援するための対策として平成11年4月より、育児相談と同時に、助産師による母乳相談を開始した。その後平成13年4月より、子育て支援センターが開設され、子育て支援センターといっしょに母子関係の安定をもたらす母乳育児をともに考えるようになった。 母乳相談にかかわる職種は、助産師、保健師、歯科衛生士、栄養士、保育士等で子育て支援の立場から母乳相談を通じて関わりをもっている。 須崎市で、母乳育児を支援する産婦人科が、平成13年6月より開設となり、須崎市の生後2週間以内の母乳率も上がり、母乳育児を支える育児支援との効果から、4ヶ月健診時では、 68%を維持しており、1歳6か月健診でも30.4%が、母乳育児を継続中である。 母乳育児を地域で支援するなか母親に母乳育児で困ったことのアンケートで、@母乳が足りているか。A乳首が切れた。B赤ちゃんが吸い付きにくい。などが悩みとしてあがったことから、地域での相談の場として、トラブルの時の対処方法と母親の母乳育児に対する不安感への対応が必要と考えられた。 須崎市では、母乳相談の場を、子育て支援と連動する事で、子育て中の母親の仲間作りとともに、母乳育児の仲間作りが同時にできあがっている。相談の場に集まり、母乳の悩みや、子育ての話をする中で、母乳育児に対するモチベーションを高める役割を、それぞれの母親が持てる事が、連帯感を生み安心して母乳育児ができる環境づくりとなっている。 また、乳幼児健診や、育児相談でのスタッフで意見を統一し、母親の母乳育児に対する、思いを第一に考えることにした事で1歳6か月健診での母乳継続率は上昇している。 母乳相談を始めて、母乳育児という母子のもっともプライベートな面に立ち入る事で、相談の場がより親密になり、内面的な不安や夫婦関係の悩みなどが、母親から話されるようになり、早期に育児不安や、ネグレクにも対応できるようになった。母乳育児は育児のネットワークづくりともに地域に広がっている。
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