1ヶ月健診でチェックすること 2016.10改訂
乳児健診で最も重要なのは1ヶ月健診です。 総合病院では小児科医が、生まれた時、退院する時、1ヶ月健診と、生まれて1ヶ月までに計3回のチェックをしています。 個人の産婦人科で生まれた方は、 できたら産科を退院してすぐ(生後1週間目)に 小児科に来て欲しいのですが、なかなかできていません。 私は、せめて1ヶ月健診は必ず小児科に来て欲しいと思っています。 当院の1ヶ月健診ではどんなことをするのでしょうか? 主なものだけでも以下のように、いっぱいあります。 |
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![]() :生まれた病院名、出生時体重、異常の有無を聞きます。 未熟児の時は出産予定日を聞きます。 早産の場合は、運動発達は予定日に生まれたものとしてチェックするからです。 お母さんの病気もあれば知らせてください。 ![]() 母乳のみで育てていれば、まずはOK。人工ミルクを足していれば何か異常があったのかと考えます。 母乳哺育をしたいのに人工ミルクを足している人には、助産婦といっしょに母乳の出し方を指導します。 1ヶ月までに来てくれたらほぼ100%母乳育児ができます。 ![]() 生まれた時から 1kg、少なくとも500g以上増加しているか、をみます。 母乳か足りなくて人工ミルクを足す必要がある人がたまにいますが、 人工ミルクを足しすぎて太らせすぎている人が多くいます。 1ヶ月で1kg以上体重が増えている場合は増えすぎですからその原因を探ります。 ![]() 先天性心臓奇形でも、 生まれてすぐは心雑音が聞こえず、1ヶ月頃から聞こえてくる場合があります。 肺の呼吸音は(健診で初めて異常が分かることはまずありませんが)正常であることを確かめます。 ![]() 肝臓・脾臓が異常に大きくないか、腹にかたまりはないか、便がたまってないか、お腹のやわらかさはいいか、などをみます。 おへそはお母さんのお腹の中にいる時は大きな血管が通っていたところですが、生まれたとたん血管が閉じて、へその緒が取れます。 が、へその緒が少し残っていたり、かぶれてジクジクしたりすることがあります。昔はへそからばい菌が入って 重症の腹膜炎を起こすことがありました。もし異常があれば処置をします。 ![]() 皮膚の黄疸がまだ続いている時は、非常に稀に肝臓、胆のうの異常のことがありますが、大部分は皮膚にあたる光が少ない為です。 時々裸にして”陰干し”をしましょう。 1ヶ月までは少し温かめにしますが、1ヶ月を過ぎると親と同じ温度でかまいません。冬でも”あせも”を作っている子がいます。 先天的な皮膚の異常はあわてず、様子をみていくだけでよいものがほとんどです。 ![]() 寝ている姿勢や手足の動かし方をみます。向き癖が強いと反対側の股関節の開きが悪くなってきますので、 その予防の為にも、起きている時の腹ばいを教えます。肩の真下に肘を持ってきて、肘で支える形にすると、”グッ”と頭を持ち上げます。 これをしてあげる事で首と腕の力を付けます。知能の刺激になり、腹筋も使いますので便も出やすくなります。 何もできないと思っていた子が、頭を持ち上げると思わず歓声が上がります。 ![]() 起きている時、目をじっと見て、こちらを見てると思ったら、自分の顔をゆっくり左右に動かします。 するとツツッ、ツツッと眼で追ってくるはずです。黒眼のところが白く光っているのを発見したら言って下さい。非常に稀ですが、 目の病気です。”めやに”が多いと涙が鼻へ流れる管(鼻涙管)が詰まっていることがあります。 ![]() ニコニコしていれば、OK。疲れている人、暗い人、彼氏(子供のお父さん)とうまくいってない人、おばあちゃんに任せている人、 (あるいは赤ちゃんを取られている人)などなど。1年経てばだんだん”お母さん”になってくるのですが、 1ヶ月はその修行が始まったところです。なんでも相談してください。当院の職員はみんな子育て経験者ですから。 |
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