4ヶ月健診でチェックすること …最新版 2015.06
乳児健診の目的
当院の4ヶ月健診
乳児健診の目的は、 以下のようなものです。
1. 子供の異常を見つける。
この目的だけと思っている方が多いのですが、すぐに治療しなければならない異常が"健診"で発見されるのはごく、わずかです。
2. 異常にならないように予防する。
ほとんどの健康な子供にとって、"健診"の目的はこれです。
3.お母さんの育児不安・疑問の解消。
母乳分泌に関して、体重に関して、お母さん自身の健康に関して、などなど。いっぺんに全部解決はできないかもしれませんが、 "健診"に来る度に一つずつ解決していきましょう。
4.お母さんの育児・健康に関する勉強。
市町村が集団でしている"健診"にも良い点はありまずが、当院での"健診"でしかしていない事もあります。 いろんな"健診"に行って母親=育児の専門家になりましょう。
ではどんなことをするのでしょうか?集団健診との違いを主として書いてみます。
○ 生まれた時の様子は?
4ヶ月健診で初めて当院に来た方には聞きます。
(詳しくは《1ヶ月健診》を見て下さい。)
○ 母乳は出ているか?
母乳のみで育てているとこの時期から育児が楽になり本当に、楽しくなってきます。
その一方で"母乳が出なくなったのでは?"とも思う頃です。
その理由は1、お乳が張らなくなった2、お乳をすぐに飲み止めるから、というものです。
1、は乳房の母乳を作る機能が良くなったから、2、は子供の知能が発達してきたからなのですが、 母乳が足らなくなったと思い人工ミルクを足してしまうと、本当に母乳が止まってしまいます。 4ヶ月まで母乳哺育をしてきて母乳が少なくなり人工ミルクを足す必要のある子は、普通はいません。 実際に母乳を飲ませているのを助産婦さんに見てもらって誤解を解いていきましょう。
・お乳が張らなくなった のは・・・ 乳房の母乳を作る機能が良くなったから ・お乳をすぐに飲み止める のは・・・ 子供の知能が発達してきたから
○ 体重増加は?
体重が5~7kgになっています。1才で8kg以上(最低7kgは欲しい)あればいいのですから、 あと8ヶ月間にこれまでの4ヶ月間で増えた分(2~3kg)増えたらいいのです。体重が少ない子は "身長相当の標準体重"と比べて1kg以上少なくないかを見ます。
少ない体重ばかり気にする方がいますが、お乳を飲むしか楽しみの無い子は乳児肥満になります。 お母さんが自分は肥満になりたくないように、子供も肥満にする必要はありません。
○ 聴診器での診察
健診のたびに心臓の雑音がないか聴きます。乳児健診では赤ちゃんが泣いていて十分に聴けない事があり、 先天性異常があっても発見されず4ヶ月になっていることもあるからです。
○ 股関節の開きはいいか?
1ヶ月健診でも股関節の開きは見ますが、もし股関節形成不全(先天性股関節脱臼)があれば4ヶ月が治療を開始する時期です。 腹ばいにした方が股関節は開きますので、疑いがある時は特に腹ばいを十分にしていきます。
○ 寝返りの仕方を教えます。
生まれた時から、起きている時に腹ばいをしっかりさせていると、腕の力・頚の力が付いてきていますので4ヶ月には寝返りをし始めます。 まだ寝返りをしない子には足首を持ち、膝と股関節を曲げて寝返りの要領を教えるやり方をお母さんに教えます。この練習はなかなか楽しいものです。
○ 声を出して笑う?
この時期の子は人見知りをしません。看護婦や私の顔を見てもにこにこしています。お腹をくすぐってやると声を出して笑います。 しんどいと感じていた育児も、この子供の笑い顔があると喜びに変わります。ただ、お母さんが疲れ過ぎていたり、 笑い顔を子供に見せていなかったら子供の笑いも少なくなります。
○ 予防接種の開始
3ヶ月から四種混合(ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオ)・ヒブワクチン・肺炎球菌3本を注射します。
4ケ月では2回目(1回目から1ケ月後)をします。
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